どこから書き出すか

  1. 論文の構成要素
  2. どこから書き出すか

論文の構成要素

実際に構成のイメージが完成し、日本語でおおよその書きたいことが決まったら、いつまでも英語から逃げずとにかく書き出してみましょう!まず、論文の全体の構成として、full length articleの場合、おおよそ以下のようになります。

  1. Cover letter
  2. Title page
  3. Abstract
  4. Background / Introduction 
  5. Methods
  6. Results
  7. Discussion / Limitations
  8. Conclusions
  9. Acknowledgement
  10. References
  11. Figure legends

上記のように「introduction, methods, results, discussion」 以外にも論文は色々記載しなければならないところがあります。ただし形式(お作法)は決まっていますので、そのひな形を使えば大丈夫!

Cover letter(添え状) Editorへの手紙です。失礼が無いように、かつ「こんな論文だから是非とも読んで欲しい!」ということを簡潔にアピールしましょう。Cover letterの内容だけでもrejectされてしまうぐらい大事なものなので確実に仕上げる必要があります。具体例は後述します。

Title page 文字通りtitleと筆者の情報や論文のwords countなどを書きます。雑誌によって書く内容は異なるので、投稿先の雑誌のinstructions for authorsをよく読んでください。一般的にはrunning head (短い論文タイトル), conflict of interest (利益相反, COI)やグラントの有無、keywords、word countなどがここに含まれます。時に内容のsummaryを求められることもあります。

Acknowledgement(謝辞) これも雑誌によりますが、書くことは大きく分けて2つあります。 1) Fundingなどに関しての報告:どこからお金をもらって研究をしているのかを記載します。 2)筆者にはならないけれど色々手助けしてくれた人などへのお礼。JEANの場合は他施設のprincipal investigator (PI)がここに含まれます。具体的な書き方は後述します。

Figure legends(図の説明文) 詳細は後述しますが、論文の図表には文字通り図(figure)と表(table)があります。TableはWordで作成するのが通常です(Excelで作成してcopy & pasteします)。一方で図はJPEG・TIFF・PNGなどの画像ファイルである必要があります。そのため、図の説明は画像内に入れるのではなく、本文の最後にfigure legends として挿入する必要があります。


どこから書き出すか

1. Abstractもしくはmethods / resultsから
2. ストーリーが完全に出来上がっているならintroductionから
3. とにかく書き出してみる!

大きく分けて方法は二つあります。学会発表まで終わっているのであれば、既に論文の概略ができているはずだからabstractやintroから書く、という方法と、abstractは最後にしてmethodsとresultsから書き上げるという方法です(日本語要約のあとに)。JEMNetでは後者をお勧めしています。

Methodsとresultsは客観的な部分であり、introductionやdiscussionのような論理構成がそこまで必要ないため比較的手がつけやすい部分です。しかも、JEANのようなレジストリを用いた研究ではmethodsの部分はほとんど同じになります(だからと言って他の論文の丸々コピーはダメですよ!)。先行研究はintroductionやdiscussionだけでなく、methodsの部分でも非常に参考になります。しかし、これらはあくまでも一般的にとりかかりやすい方法であり、もし他に書き始めやすい部分があれば、そこからまずは書いてみるという方法でも、もちろんいいと思います。

英語が苦手であればDeepLを使って「主語述語を明確にした日本語」を翻訳することでかなり「いい感じ」の文章が出来上がります。細部に拘らずに、とにかく英語を怖がらず書き出してみる事が一番大事です!!

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